子供服作家 ひだまり工房 今井理恵さん【後編】





子ども服作家 ひだまり工房 今井 理恵さん【前編】はこちら

イベントに出展しない理由

今イベント出展はほとんどしていないです。


たまにお友達が主催しているイベントに「出て!」って言われた時に出るくらいで。


イベントに出ると、値段を比べられたりするじゃないですか、安いほうが売れたりとか。


ライバルの中に入って価格勝負することに、メリットをあまり感じないです。


ミンネなどのハンドメイド販売サイトも同じです。


そこで勝負するんじゃなくて、私は一人ずつのお客さんと自分で直接繋がれる方法をとってるので、SNSとかブログを整えることに力を入れています。


私が作るものが欲しいって言うお客さんとつながっていくことの方が大事だなって。


もしお客さんの立場だったとして、イベントで何かを買って、その買ったお店の名前わかりますかって言われたらわからないんですよ。


そのイベントで買ったことは覚えてるけど、どのお店で買ったかって覚えてないじゃないですか。


そういうその他大勢になりたくなくて。


ずっとイベント出展を続けていたら常連さんみたいな人ができてくるんですけど、大体がはじめましてのお客さんで、そこで出会って次にリピートするかって言ったらしないんですよね。


多分1割とかしかリピートしない。


だったら直接、私はこういう人間でこういうものを作っていて、こういう思いで作ってますっていうことを発信して、そこに共感してくれた人がものを買ってくれた方が絶対リピートにつながると思う。


そういう人を増やしていった方が、事業としても続くじゃないですか。


だからイベントに出るのも、「理恵さんに来て欲しい」って声をかけてくれたイベントだったら出展します。


「誰でも出展できるから来てください」っていうイベントには出展したくない。


「理恵さんに来て欲しい」って言ってくれる人は、絶対ちゃんと私の紹介をしてくれるんですよ。


「なんと理恵さんが来てくれます!」と言って盛り上げてくれるから、「じゃあ理恵さんに会いたいから行くわ」っていうお客さんが来てくれたり。


そういうイベントだったら出てもいいですね。


規模が大きいイベントだと、なかなか覚えてもらえないし、売り上げは出るかもしれないけど、その売り上げが次につながるのかっていうとつながらない。


イベント出ないの?とよく聞かれるけど、そういう理由で出ないんです。






自分のこだわりや強みを発信する大切さ

私なりのこだわりは、「子供が自分で着脱できるような服」というところは意識してはいるんですけど、やっぱり意識しているのは「元保育士で」「耳が悪くて」「ハンドメイド作家をやっている」って言う掛け合わせかな。


ハンドメイド作家の中では全然1番になれないし、独学だし、もっとできる人がたくさんいると思うし、でもその中で私は私の強みを使ってやっていくんです。

ハンドメイド作家さんって、自分のことを発信するのが苦手な人が多いんです。


実はすごくこだわっていろんな思いを込めて作ったものなのに、写真しか見せなかったり。


でもよくよく話を聞いたら「こんな生地使ってるの?!」「ここはこうなってるの?!」というところがすごくいっぱいあって。


「なんでそれ言わないの?」って聞くと、「あぁ、そっか」みたいな感じで。笑


それ自分が言わなかったら誰も言わないんだよ?って。笑


自分がこだわっていることや、自分はここがいいと思っているとか、自分の好きなところとか、絶対発信するべきで、それに共感してくれる人は絶対自分のファンになってくれる人だから、ハンドメイド作家さんにはそういうことを発信してほしいなぁと思います。


ハンドメイドに限らずですよね、これはこういうところが強いとか、こういうところにこだわっているとか、そういうところを大いに発信すべき。


大手企業だったら宣伝部があって、お金かけて宣伝して売れているのに、あなたがどうやって売れるかって言ったら、ちゃんとあなたが言わないと売れない。


そういうことがすごく苦手な人が多いので、どうしてもできないんだったら自分のことをめっちゃ宣伝してくれる人を探すか、一緒にチームでやってお互い宣伝しようとか、そういうことを考えないと、自分のこだわりとか魅力とかが伝わる方法が少ないですよね。

私は起業するまで、発信するっていう発想すらなかったので、発信できていない人の気持ちもわかります。


がんばってものを作って、いいものができるようになったらそのうち勝手に売れていくのかなと思っていました。


ものを売るために企業が宣伝にどれだけお金をかけているのか、そういうことに発想が至っていなかった。


ものを売る仕組みを学ぶってすごく大事。


それにどのくらい付加価値があるのかをアピールしないと、人はお金を払わないじゃないですか。


誰かからお金をもらうってそういうこと。


苦手だからと言ってアピールしなかったら売れないんです。


私はかえりん(子育て相互支援団体かえりん  理恵さんは運営メンバーのおひとり)に入ってるおかげで、恵ちゃん(かえりん代表 星野恵さん)たちみんなが宣伝してくれて、私がいないところでも私のぼうしの話とかをしてくれていて。笑


そういうお互いの良さをアピールし合える仲間をつくるのも良いですね。


宣伝をお金を払ってやってもらってもいいし。


宣伝の部分をやりたい、仕事にしたいって言う人も絶対いるから。


自分が発信・宣伝をやりたくないんだったら、違う方法考えることが必要ですよね。


自分で発信力を鍛えたほうが早いとは思いますが…



子育て相互支援団体かえりん の皆さん!)


SNSでは、いかに口コミを起こすかが大事だな思います。


前にワークショップをやった時も、作品ができた!って喜んでいるお客さんに、「これ、いっぱい自慢してくださいね!」って言ったら、勝手にひだまり工房の宣伝もしてくれたんです。


「私作ったんです!理恵さんに教えてもらって!」って。


そしたらそれでまたひだまり工房が広まるじゃないですか。


帽子なんて特に、子供がかぶってるだけで可愛いから写真撮りたいですよね。


「いっぱい自慢しちゃってください」って言うと、本当にたくさん自慢してくれます。


ブログとか書いてても、最後に「これシェアしてください」って一言書くだけでシェアされるんですよ。


みんな書かれていることをちゃんとやってくれるんですよ。


「いいねしてください」って言ったらいいねを押してくれるんです。


皆さん素直ですからね!笑


ハンドメイド作家として苦労したこと、大変なことは?

やっぱり売り上げがずっと一定なわけではないじゃないですか。


波があって、やっぱり下がると落ち込む。


そういう時に私がいつも心がけている事は、お客様の声を読むようにしています。


自分に価値がないような気がしちゃうんですよね、売り上げが全然ない時とか、注文がなくなっちゃった時とか。


誰からも私求められてない…みたいに、すごい不安になっちゃって。


でもそんな時こそお客様からもらった感想とかを見返すと、「いやいやそんなことない!こんなに感想書いてくれる人がいるのに、私は価値がないわけじゃない!」と思えるようになります。


気を抜くと、他の人と比べて「あの人はこんなに売れてるのに」ってなっちゃうから、既に自分にあるものを見るように心がけています。


「私にはこんなに素敵なお客さんがたくさんいる!」「去年年間いくら売れたの私!2年前、3年前と比べてごらん!ちゃんと階段上っているよ!」って自分を励まします。


ないものを見るんじゃなくて、今もっているもの、あるものに目を向けることを心がけています。


絶対ずっと右肩上がりの人なんていないですからね。


波があって当たり前で、下がったときにいかに自分を保てるか、奮い起こせるかだなと。




これからハンドメイド作家になりたい人がすべきこと

さっきも言いましたが、やっぱりハンドメイド作家として仕事をしていくためには発信力が大事なんですよ。


自分という人を知ってもらうということ。


私がブログを書いていても、アクセスが良いのは私の内面の記事なんですよ。


私はこういうことを思っているとか、過去にこういうことをしたとか、こういうことで失敗したとか…


やっぱりみんなは何を見てるかって言うと、私がどういう人間かっていうのを見ているんですよね。


自分のことを喋るのって抵抗があったり恥ずかしかったりするんですけど、結局自分が言わなかったら誰も言わない。



私、最初に買ったミシンを3年でダメにしたんですよ。


毎日使いすぎて、ミシン屋さんに持っていったら「これは劣化ですね」って言われて。


「3年しか経ってないんですけど…」「でも相当使ってますよね?」って。


たしかに相当使っていたんですよね。


自分の中では当たり前で、そんなにすごいことだと思ってないけど、他の人にとってはすごいことって必ずみんな持ってるんです。


3年でミシンがダメになるっていう話は、服飾の学校には行っていないけど、それだけ独学でめちゃくちゃ頑張ったっていうことのアピールになるじゃないですか。


ハンドメイド作家さんで、文章上手じゃないから書けないんですっていう人がいますけど、ほんとに最初は自分のブログなんて誰も読んでいないんで(笑)、数書かないと上手にならないから、誰も見ていないと思ってとにかく毎日書いてください!


書けば上手になるから!


私も誰も見てないと思って書いてましたし、誰も見てないからこそ好きなことを書いていい。


とにかく毎日書くなら書くって決めて、毎日書く。


そしたらそのうち上手になって、たまにコメント来てびっくりしますよ。笑


たまたま会った人に「ブログ読んでます」とか言われたり。


Facebook、Instagram…何でもいいんですよ、自分が得意な媒体で。


私の場合はブログをコツコツやってきた人なので、ブログをお勧めしますけどね。


今後の野望



みんな、今コロナの影響で家に引きこもりがちになっているので、家で自分で裁縫をできる人を増やしたいです。


ものを作るということもそうだし、リメイクとかも。


自分が着てた服を子供に、とか。


そういうことができる人を増やしたいです。


今アパレル業界では、ファストファッションなど大量生産した服の膨大な数の売れ残りが捨てられている問題などがあって、いろいろ見直され始めていますよね。


さっきもお話した、今自分が既に持っているものをに目を向けるという、私が大事にしていることの1つなんですが…


今もうみんな持ってるんですよ。


家にいっぱい宝物があるの!っていうことを伝えたいんです。


これからはもう次々新しいものを手に入れるんじゃなくて、すでに家にいっぱいあるものをどうするかっていう工夫をできる人を増やしたいと思っています。



5年前、同じように個人で仕事を始めた私にとって、理恵さんのお話はものすごく共感する部分が多かったです。


家族とちゃんと向き合う、ものを売るということをちゃんと学ぶ、ちゃんと発信をする、自分のファンを大切にする…


理恵さんがコツコツきちんと実践してきたからこそ、大活躍の今があるんですね。


私も発信の大切さを改めて感じたので、内容、頻度などもう一度見直して改善していこうと思いました。


そして…私も自分が着ていたけどもう着なくなった服を、もう少し大きくなったら娘に着せたい!


売っている子供服も可愛いけど、大人が着ていたものをリメイクするって他にはなくてすごく素敵です。


宝物はもうすでにたくさん持っている。


全てにおいて大切な視点だなと思います。

理恵さん、ありがとうございました!



子ども服作家

ひだまり工房主宰

今井 理恵


世界でオンリーワンの、元保育士×聴覚障害者×ハンドメイド子ども服作家。ひだまり工房主宰。ママと子どもの笑顔のために、ナチュラルかわいいハンドメイド子ども服の制作・販売、初心者から上級者まで対応しているワークショップも開催している。ひだまり工房の代名詞ともいえるうさぎ耳付きのあったか耳あて帽子は、WEBを通じてシーズンには全国から制作依頼がある。

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