子供服作家 ひだまり工房 今井理恵さん【前編】

更新日:2020年12月16日




代表 柳原です。


11月27日、TOKIKAのオンラインイベント【Working Women The Real ハンドメイド作家編】を開催しました。


ゲストは子供服作家 ひだまり工房 今井理恵さん。


理恵さんは、子供服の制作・販売、ワークショップ等を開催しています。


元保育士さんで、男の子ふたりと女の子ひとりの3児のママ。


理恵さんが作るお洋服は、とってもキュートなデザインでファン多数!


NHKから取材依頼がくるなど、注目の作家さんです。


お話を伺った前日に、ちょうど理恵さんが取材を受けた番組が放送され、ちゃっかり私が撮影させていただいた写真もNHKデビューをするという、私にとってもありがたすぎる出来事がありました…!

そんな理恵さんに、「ハンドメイド作家さんのほんとのところ」を聞いてみよう!という今回のお話会。


理恵さんとお会いしたのは4、5年前になりますが、今に至るまでの理恵さんのお話を伺ったことはなく…


私もお話を聞かせていただくのを楽しみにしてました。

今回、お話していただいた内容を抜粋し、特別に記事にさせていただきました。


ハンドメイド作家を目指している方や、今なにかと悩んでいる作家さんにお届けできればと思います。


もちろん、ハンドメイド作家さんじゃなくても、個人で仕事をしていこうと思っている方にはかなり学びの多い内容だと思います。




ハンドメイド作家として仕事を始めたきっかけ

もともと作ることは好きだったんですけど、別にこれを仕事にしようという気は最初は全然なくて。


保育士をやめて次男を産んだ後、急にハンドメイド作品を作りたくなって、でもたくさんいらないし…じゃあ売ろうかな?みたいな感じで初めてイベントに出展したのは、次男がまだ赤ちゃんだったときです。


そのときはミシンじゃなくて、編み物だったり消しゴムハンコだったり…そんなものからスタートしました。


でもやっていくうちに、編み物って大量生産できないし、一個作るのにすごい時間がかかるし、値段もそんなに高く設定できないし…と。


「じゃあちょっと編み物やめようかな」と、ミシンを始めました。


そのときちょうど長男と次男の男の子二人だったので、男の子のものを何か作りたいって思っていたんですけど、男の子もののハンドメイドの本って探してもないんですよ全然!


ほとんど9割以上、女の子向けの本。


そんなときに、当時流行っていたmixiのコミュニティーで、「男の子ママのハンドメイド」みたいなコミュニティーがあって、そこをのぞいてみたら「ニット」って言われる伸びる生地をやっている人がすごくたくさんいたんです。


「あ、男の子でもニットやれるようになったらこんな楽しいんだ」っていうのがわかって、そこで情報をもらってやり始めたのが今から10年前くらいですね。


当時の男子二人のお揃いの服とかをずっと作ってたんですけど、男子の服ばっかりじゃ飽きるので、女の子のも作って、作ったけどいらないから売ろう!と販売を始めました。

数ヶ月に一回くらいのペースでずっとイベントに出展して販売してたんですけど、そのうちもともと高校生の時に片方の耳を悪くしていたのが、次男が1歳になる前くらいの時にもう片方も悪くしちゃって。


接客ができないので、もう一人ではイベントに出れず、そのあとはお友達と一緒にチームみたいな感じでイベント出展を続けていました。


細々とっていうか、楽しいからやるけど、別にイベント出展で稼ごうということではなく、ちょっと稼げたら嬉しいかな…という感じ。


実際、全然稼げてなかったんですよね。


主婦の趣味、内職レベルっていうか。


でも、毎月イベントに出るとすごい忙しいんです。


在庫作んなきゃいけないし、販売の用意もしなきゃいけないし。


すごい忙しいけど全然売り上げになってないっていう期間が4、5年続いてたのかな。


チームみんなで一緒に盛り上がって、すごく楽しくやっていたので、まぁいいかとその時は思ってたんですけど、だんだんチームの友達の子供たちも大きくなってきて、みんなそろそろパートに出ようかなという感じになってきたんですね。


そのうちチームの人たちが「じゃあ私やめるわ」と。


それが一番下の子が生まれてたか生まれてなかったか…そのくらいの時で、私はまだ絶賛子育て中。


でもみんなは「子どもがもう小学校あがるから」とか、「子どもが大きくなってちょっと手が空いたから、ハンドメイドとかじゃなくてちゃんとパートに出て働くわ」と。


私は耳が悪いから一人でイベントには出れない。


「私もそのうち子どもが大きくなったらパートに出なきゃいけないのかな?」と思っても、耳のことがあるからその辺でパートで働くということもできない。


そう考えたら…


せっかく何年もやってきたハンドメイド。


家でできるし、それでお金が稼げれば別にパートに出なくてもいい。


やっぱりこれを軌道に乗せるっていうか、今まで内職レベルなのを仕事レベルに上げたいなと思いました。


ちょうどそんなことを思っていた時に、人工内耳っていう、頭蓋骨をけずって機械を埋め込む手術を受けたんですよ。


この手術の前は普通の人の3割くらいしか聞き取れてなくて、コミュニケーションに限界を感じていたから。


一番聞き取りづらいのがうちの夫で、まぁ何言ってるのかわからなくて。笑


子供に通訳してもらっているっていう感じでした。


子供は高い声ではっきりしゃべってくれるし、何回も聞いても嫌な顔しないで言ってくれるから、「今父ちゃん何って言ったの?」ってお父さんが言っていることを私に伝えてもらうみたいな感じで会話してて。


「これはもう限界だな」と病院の先生に相談して、「じゃあ人工内耳入れる手術しましょう」ということになりました。





それまでずっと毎月イベントに出てたので、忙しくて余裕がなくて、忙しいのに稼げていないこの状況変えたいと思っていたのに変えられない状態が続いていました。


日々の忙しさに追われて、自分が本当にやりたいかって言ったら本当にそうかどうかもわからない状態で毎月イベントの予定だけが入ってるから、「あれもやんなきゃ、これもやんなきゃ」って。


でも手術が決まって入院することになって、一回自分のハンドメイドの作業がストップする。


この機会に勉強しようと思って、入院する前に図書館から「ハンドメイドで起業するには」みたいな本を手当たり次第いっぱい借りてきて、ひたすら読んだんです。


そこで、ハンドメイドの起業っていうか、それに限らず「起業」について勉強しなきゃいけないだなってわかって。


作ることはもう何年もやってきたからできるようになったけど、ものを売るっていうことの勉強を全くしてなかったんですよね。


必要なのはマーケティングなんだ!と思ってマーケティングの本を読んだり、どうして値段を上げてもものが売れるのかとか、流通の仕組みみたいなのをすごく勉強しました。


そんな中、ある一冊の本を買ったんですけど、それが「儲かるブログの書き方講座」というブログで稼げるようになろうという本。


それをもう最初のページから全部その通りやったんですよ。


それまではただの議事録みたいな、「今日イベントに出ます」「~をやりました」みたいなブログしか書いてなかったのを全部やり直しをして、ブログの構築からやり始めました。


プロフィールの作り方から、どういう記事を書くと自分が届けたい人に届くのかなど、本の通りにひとつずつ直していって…


ちょうどその本が発売されたばかりでキャンペーンをやっていたんですけど、応募したらなんと当たって!


そのキャンペーンの特典が、著者さんのコンサルが受けれるというもの。


しかもたまたま札幌の方!


退院してからだったら子供たちの世話もあるし、夜抜けるなんてできないから、「これは入院中に行ったほうがいいんじゃないか?」と、病院の先生に外出の許可をもらって、退院する2日前くらいにコンサルを受けに行きました。笑


だいぶ手術の傷も治っていたし。

そんな感じで、ブログの構築からやり直しをしているとき、「起業してガンガン稼ぐ!」とまではまだイメージしてはいませんでした。


その頃ちょうど1番下の子が2歳位になっていて、それまでその1番下の子を連れていろんなセミナーとかに行っていましたが、2歳にもなるともう保たなくて。


YouTubeを見せたりとか、結局何かで釣って自分の用事に無理矢理付き合わせているような状態になってしまっていて…


保育士をやっていたのもあって、「これは保育園に預けたほうが絶対に環境はいいな」と思って預けることにしたんです。


それで役所に行き、「まだ起業していないけど起業する方向で考えています」と伝えたら、「じゃあ起業届出しちゃってください」と言われて。


だから、すごい気合い入れて「やるぞ!起業するぞ!」みたいな感じではなく、「今出さない理由ないんだったら出しちゃってください」って言われて「あ、はい。」と、ほわっとした感じで起業しました。笑


それからは、やりながら勉強して…という感じで進めていきました。


出だしは5年前、そんな感じのスタートです。






旦那さんは一番近くにいる味方。家庭がうまくいってこそ、起業もうまくいく

最初はとにかくお金が欲しくて、「自分の自由になるお金が欲しい!お金お金お金!」みたいになっちゃって。笑


もうお金が欲しくてどうしたらいいんでしょう?と、いろんなところに相談しに行きました。


そのとき、今思うと家族の事を全然考えれていなかったな、と…


起業初期ってそうなってしまう人も多いと思うけど、夫と対立というか、夫に何か文句言われたくないからからやるみたいなところがあって。


「こんなにやってるのに全然稼げてない」って言われたくなくて、稼げていないのに稼いているふりしたり。


でも実際本当にいろんなことやっていたのに全然稼ぎはついてきていなくて、「私は私で勝手にやるから!」「家の事だけはちゃんとやるから好きにやらせて!」というスタンスでした。


でもある時、「このスタンス、もしかしたらちょっと違うかな」と思って、夫に全部見てもらったんですよ、ひだまり工房の収支を。


「今こういう状態で数字がこうなっていて、この売り上げを増やしたい。そのために今こういうことをやっている。」みたいなことを全部話して見てもらいました。


夫は居酒屋さんでずっと1人で店長をやってるので、1ヵ月の収支など常に数字を見てる人。


この人に聞いたほうがきっと適切なアドバイスをくれるんじゃないかと思って。


そしたら、すごいなんかこう…やっぱりちゃんと見てくれたんです。


「今原価率がこのくらいで、ここがこのくらいだから、ここは30%に抑えたい、できればここをこのくらいにして…」って、すごい細かいアドバイスをくれて。


なんで最初からこうしなかったのかなって思いました。


いろんなコンサルに行って、高いお金を払って教えてもらったそういう話を夫に話したら、「いやそれ俺何年も前から言ってるよ?」って。笑


私は、「自分は何も持っていない」と思っていたから外に答えを探そうとして…でも、そうじゃなかったんだなと気づきました。


自分にはこんなに近くに自分のことを見てくれている人がいて、客観的に意見をくれる人がいたのに、私に聞く耳がなかっただけで、教えてって言ったらちゃんと教えてくれたし、こっちが心を開くだけでよかったんだなって。


そこですごい感じたのは、起業ってやっぱり家庭がうまくいってないとそもそもうまくいかないし、自分にとって家庭がうまくいくことが一番大事なことなんだなって。


特に女性の起業、個人の起業って、絶対家庭と切り離せない。


私が起業について相談された時は、必ずみんなに「まずは旦那さんと仲良くなることが大事」って言います。


「リシェ会」と言って、私がハンドメイド作家として今までやってきたことをシェアする会をたまに開催してるんですけど、8割位は家庭のことで悩んでいる感じですね。


昔の私みたいに、旦那さんに対して「家事を完璧にしなければいけない」「仕事の愚痴なんか絶対こぼしちゃいけない」「自分が稼げてないことなんか絶対バレちゃいけない」「うまくいってないことを見せたくない」と。


でも、旦那さんは別にそんなことを咎めたりなんかしないし、馬鹿になんかしない。


旦那さんは敵じゃなくて強力な味方だって思って欲しいので、そう伝えています。


もしかしたら、旦那さんからしたらちょっと何か遊んでるように見えるっていうこともあるかもしれない。


家にいながらできて、ほんとにそれでお金稼げるようになるの?って。


自分がどうなりたいかという未来を共有したり、「今後こういうふうになりたくて、そのために今ここが足りなくてどうしたらいいか」という話ができるようになったらいいですよね。



《後編に続く》








子ども服作家

ひだまり工房主宰

今井 理恵


世界でオンリーワンの、元保育士×聴覚障害者×ハンドメイド子ども服作家。ひだまり工房主宰。ママと子どもの笑顔のために、ナチュラルかわいいハンドメイド子ども服の制作・販売、初心者から上級者まで対応しているワークショップも開催している。ひだまり工房の代名詞ともいえるうさぎ耳付きのあったか耳あて帽子は、WEBを通じてシーズンには全国から制作依頼がある。

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